レイヤー2(セカンドレイヤー)とは?ブロックチェーンの新技術!
- 2023.01.28
- 暗号資産の基礎知識
近年、暗号資産でよく耳にする「レイヤー2(セカンドレイヤー)」をご存知でしょうか?
レイヤー2は、これからの暗号資産に欠かせない技術です。
この記事では、「レイヤー2(セカンドレイヤー)」について解説していきます。
レイヤー2(セカンドレイヤー)とは
まず、レイヤー1とは、簡単に言えば「ブロックチェーン」の事をいいます。
ビットコインやイーサリアムが有名です。
レイヤー2(セカンドレイヤー)とは、レイヤー1以外の部分でデータ処理をする際に使用されるチェーン、または技術のことをいいます。
レイヤー2のメリットは、メインのブロックチェーン上で処理を行わないために、ブロックチェーン本体のシステムの処理に負荷がかからず、高速な処理ができることです。
現在では様々なパターンの技術があり、いくつものレイヤー2プロジェクトが進められています。
レイヤー1の補完的な役割を目指し、レイヤー1以外の部分でデータ処理を行うのを目指している、技術やプロジェクトが「レイヤー2」と呼ばれてます。
レイヤー2とスケーラビリティ問題
1つのブロックの中には、トランザクションデータを書き込める量が限られています。
ブロック容量いっぱいにデータが書き込まれることで処理能力が追いつかなくなってしまい、送付遅延、手数料増加などの問題が発生します。
世界中で暗号資産が普及しても、世界中の人がその暗号資産を利用するとパンクしてしまいます。
これがスケーラビリティ問題です。
ブロックチェーンの処理負荷を減らし速度を高めるために考えられた方法がレイヤー2という考え方で、2017年ごろからずっと開発が続けられています。
代表的なレイヤー2技術
ビットコイン「ライトニングネットワーク」
ライトニングネットワークは、ビットコインで用いられている代表的なレイヤー2技術です。
ビットコインは、スケーラビリティ問題に長年悩まされています。
世界で最も有名な暗号資産であるビットコインは、ブロックの容量を一定としているため、それ以上のデータをビットコインでは一度に処理することができません。
多くの利用者が一度に送金すると詰まりを起こしてしまい、送金に時間がかかってしまうのは、決済ツールとして決定的な欠点となります。
ライトニングネットワークは、ビットコインのブロックチェーン上ではなく、ライトニングネットワークと呼ばれるネットワーク上でビットコイン送金のデータを処理する、レイヤー2プロジェクトです。
イーサリアム「ロールアップ」
イーサリアムも、スケーラビリティ問題に悩まされる代表的な暗号資産です。
イーサリアムは、スマートコントラクトによってトランザクションの実行を自動化できますが、ネットワークにより取引の承認を行う必要があります。
利用者が増えるほど承認にかかる時間も増加し、処理能力を低下させてしまいます。
DeFi、Dapps、NFTなどの分野でも注目されていますので、利用者が増加しやすく、ネットワークへの負担も大きく増加しています。
イーサリアムのレイヤー2プロジェクトはいくつもありますが、代表的なものに「ロールアップ(Rollups)」と呼ばれる技術があります。
これはイーサリアムのデータ処理を、イーサリアムのブロックチェーン上以外でも行えるようにするレイヤー2技術です。
イーサリアムのレイヤー2プロジェクト
Optimism(オプティミズム)
Optimism(オプティミズム)は2019年に発表され、2021年12月にメインネットがローンチされました。
元々はイーサリアムのスケーリング技術(処理能力を拡張する技術)である「Plasma(プラズマ)」を開発していたPlasmaグループから派生して作られた組織です。
また、Optimismの独自トークンである「OP」を2022年に入り発行したことでも話題を呼びました。
zkSync(ジーケーシンク)
zkSync(ジーケーシンク)も、イーサリアムのレイヤー2プロジェクトです。
zkSyncの特徴として、ガス代のコストが低い、引き出しまでの時間が短い、などが挙げられます。
Arbitrum(アービトラム)
Arbitrum(アービトラム)も、イーサリアムのレイヤー2プロジェクトの一つです。
アービトラムを利用することで、イーサリアム上のアプリケーションの処理能力を向上し、安い手数料を実現することを目指して開発されています。
レイヤー2の今後の展望
スケーラビリティ問題を完全に解決する?
レイヤー2は、スケーラビリティ問題を解決する目的で開発が進められています。
現在レイヤー2で利用されるRollups(ロールアップ)と呼ばれる技術は、まだ完成しておらず、開発途中といわれています。
レイヤー2が全てを解決してくれるというわけではないですが、レイヤー2が実用されれば、現在のイーサリアムよりも処理速度が上昇し、手数料が低下することは間違いありません。
暗号資産関連の開発は、今も非常に研究が熱心に行われている分野です。
レイヤー2がスケーラビリティ問題を完全に解決することはできないかもしれませんが、今後の開発に注目しましょう。
イーサリアム2.0との関わり
スケーラビリティ問題に対する解決策はレイヤー2以外にもあります。
イーサリアムはスマートコントラクトを導入可能なプラットフォームとして注目をされています。
2020年12月に実装された「イーサリアム2.0」は、イーサリアムを取り扱ううえで問題視されていたスケーラビリティ問題を解決するためのプロジェクトです。
他にも、イーサリアムキラーと呼ばれるような、分散性は劣りますが、取引処理能力が高く、手数料も安いというプロジェクトも多く出てきています。
様々な問題を解決する為に、レイヤー2以外にも現在多くのプロジェクトが進んでいますので、注目が必要です。
まとめ
この記事では、これからのブロックチェーン技術の中心になっていく「レイヤー2(セカンドレイヤー)」について解説しました。
レイヤー2の技術が実用化されることで、様々な部分において技術革新が見られるようになるでしょう。
今後もこの分野に注目していきましょう。