【 FXの基礎知識 】円高・円安とは?

【 FXの基礎知識 】円高・円安とは?

円の価値が高くなったり安くなったりすると、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

基本的な円高・円安の違いを解説していきます。

円高・円安の意味

「円高」とは、特定の外国通貨に対して日本円の価値が高くなることを意味しています。

逆に「円安」とは、日本円の価値が低くなることを意味しています。

異なる通貨を両替(売買)する際の交換比率のことを為替レートといいます。

例えば、日本の「円」とアメリカの「米ドル」なら「1ドル=130円」などといった為替レートで両替されていますが、この為替レートは日々変動しています。

それは、日本円を売って米ドルを買いたい人と、米ドルを売って日本円を買いたい人のそれぞれが希望する価格が折り合ったところで取引が成立していくからです。

為替市場では、様々な人たちが希望の売値や買値を提示しており、それに応じて為替レートは日々変化しています。

日本円と米ドルの関係でいいますと、 現在のレートが「1ドル=100円」だとして、これが「1ドル=80円」になると「円高に振れた」と表現します。

それまでは1ドルを手に入れるために100円が必要でしたが、より少ない金額の80円で手に入るようになり「米ドルに対する日本円の価値が高くなった」からです。

ドルの立場から見ると、ドル安とも言うことができます。

円高とドル安は相対的な関係になり、需要と供給で成り立っています。

反対に、「1ドル=100円」だったレートが「1ドル=130円」となった場合は円安が進んでいます。

100円で1ドルを手に入れられていたのに、より多い金額の130円が必要になってしまい「米ドルに対する日本円の価値が安くなった」からです。

ドルの立場から見ると、ドル高とも言うことができます。

円高・円安の影響

円高・円安は、私たちにどのような影響を与えるのか、旅行・輸出入・外貨預金について解説します。

まず、現地の通貨を必要とする海外旅行ですが、円高のときはより多くの外貨と交換できるため有利ですが、円安のときは少ない外貨にしか交換できないため不利となります。

次に、輸出入を行っている企業についてですが、輸入業者にとって、円高のときは海外から輸入された製品を安価に購入できるため輸入品を多く仕入れることができるメリットがありますが、円安のときは輸入する海外製品の値段が上がるといったデメリットがあります。

逆に輸出業者にとっては、円高のときは海外で販売するときの価格が高くなるため国内製品が海外で売れにくくなるデメリットがありますが、円安のときは海外で販売するときの価格が下がるため国内製品が海外で売れやすくなるメリットがあります。

外貨預金は、外貨を購入して預金した時よりも円高になると外貨の価値が下がるので損をしますが、円安になると外貨の価値が上がることになるので利益が発生します。

円高のときに外貨預金をして、預け入れしたときよりも円安になった状況で預金を引き出すと利益になります。

FX取引の例

では、FXの取引では円高・円安はどのような影響があるのか、「USD/JPY(米ドル/円)」の取引例で解説していきます。

「1ドル=100円」の時に、「USD/JPY」で買い(米ドル買い・日本円売り)のトレードを行った場合、円安になり「1ドル=101円」でポジションを決済すると、1ドルあたり1円の為替差益が発生します。

もし1万ドル分の取引をしていたら、「1円の為替差益×1万ドル」で1万円の利益になります。

反対に円高になり「1ドル=99円」でポジションを決済すると、1ドルあたり1円の為替差損が発生します。

1万ドル分の取引をしていたたら、「1円の為替差損×1万ドル」で1万円の損失になります。

このように、「USD/JPY」で買いエントリーした際は円安になることで利益になりますが、FX取引においては売りからもエントリーできますので、円高局面も利益を得れる機会となっています。

為替相場はなぜ動くのか?

為替レートは、取引に参加している投資家たちによって変動していきます。

投資家たちはそれぞれ、「これから円安に動く」「円高が強まる」といった自分なりの予想を立てています。

投資家たちの予想に影響を与えている様々な要因の中でも、特に影響力が高いのはグローバルな政治経済の情勢や中央銀行の金融政策です。

例えば、貿易において不利になることを踏まえて米国側が「円安は好ましくない」とコメントすれば、何らかの圧力が働いて為替相場が円高に転じるのではないかと推察する投資家が増えます。

また、米国の重要な経済指標である雇用統計が予想以上の高水準であれば、「好景気が続いている」と判断して米ドル買いで円安が活発化することがあります。

そして、日本がゼロ金利政策を続ける中で米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)が金利を引き上げると、日米の金利差が拡大し、日本よりも高い金利を求めて米ドル買いで円安が進むとの予想が働きがちです。