ニュースでよく聞く言葉――
「為替介入警戒」
介入?警戒?
正直、よく分からない…
という方も多いのではないでしょうか。
実は、為替介入は
私たちの生活や資産運用にも、大きく関係しています。
この記事では、
・為替介入とは何か?
・どんな流れで行われるのか?
・誰が実行しているのか?
・過去には何が起きたのか?
を、初心者にもわかりやすく解説します。
そもそも「為替介入」とは?
為替介入とは、一言でいうと
国が実際にお金を使って、為替を動かす行為
日本政府や日銀が、
✅ 円を買う
✅ ドルを売る(または逆)
ことで、相場に直接参加します。
つまり、
「口だけ」ではなく「実弾」を使うのが為替介入です。
なぜ国は為替に介入するのか?
為替が行き過ぎると、次の問題が起きます。
❌ 輸入物価の上昇
❌ 生活費の負担増
❌ 企業業績の悪化
❌ 景気悪化
特に日本では
円安=物価高 に直結します。
そのため国は、相場の暴走を止めるために介入します。
為替介入が行われるまでの「3段階」
為替介入は、いきなり行われるのではなく、
① 口先介入
② レートチェック
③ 実弾介入
という段階を踏みます。
さらに重要なのは、口先介入の「言葉の強さ」です。
特に、
「断固たる措置」
「あらゆる選択肢」
が出たときは、介入が近いサインと考えられます。
まず全体像を、ひと目で分かるように👇
📊 為替介入までの3ステップ
| 段階 | 名称 | 当局の行動 | 市場への影響 | 危険度 |
|---|---|---|---|---|
| ① | 口先介入 | 発言でけん制 | 小〜中 | ★☆☆ |
| ② | レートチェック | 水面下で確認 | 中〜大 | ★★☆ |
| ③ | 実弾介入 | 実際に売買 | 最大 | ★★★ |
👉 星が増えるほど「本気度MAX」です。
レートチェックと介入の違い
| 項目 | レートチェック | 為替介入 |
|---|---|---|
| 資金 | 使わない | 使う |
| 強さ | 中 | 非常に強い |
| 影響 | 間接 | 直接 |
👉 予告と本番の違いです。
「口先介入」の中にもレベルがある【超重要】
実は、口先介入にも“強弱レベル”があります。
これを知ってる人は、かなり有利です。
▼口先介入の強さ別レベル表
| レベル | 危険度 | 状況 | よく使われる言葉例 | 市場の反応 |
|---|---|---|---|---|
| Lv1 | 低 | 軽い注意 | ・動向を注視している ・慎重に見ている | ほぼ無視 |
| Lv2 | 中 | 警戒開始 | ・過度な変動は望ましくない ・懸念している | 少し反応 |
| Lv3 | 高 | 強い警告 | ・必要なら対応する ・断固たる措置 | 大きく動く |
| Lv4 | 最大 | 最終通告 | ・あらゆる選択肢を排除しない ・適切な行動を取る | 介入警戒MAX |
👉 Lv3〜4が出たら、プロは臨戦態勢です⚠️
ニュースを見るときは、
「何と言ったか?」ではなく、
「どのレベルの言葉か?」を見るクセをつけましょう。
これだけで、相場の見え方が変わります。
為替介入は「誰」がやっているのか?
▶ 日本の場合
| 役割 | 機関 |
|---|---|
| 判断 | 財務省 |
| 実行 | 日本銀行 |
という分業体制です。
💡アメリカの場合
☞米財務省+FRB+NY連銀が関与します。
介入したかどうかはいつ分かる?
結論、
その場では、ほぼ分かりません。
日本では、月1回の「介入実績報告」で公表されます。
数週間〜1か月後に判明します。
為替介入の公式データはどこで見れる?
日本の為替介入は、
財務省が公表する
「外国為替平衡操作の実施状況」で確認できます。
このページでは、
・実施日
・金額
・円買い/円売り
・月別合計
がすべて公開されています。
ただし、公表は約1か月遅れのため、リアルタイムでは分かりません。
日本の過去の為替介入|まとめ
| 年・月 | 介入の有無 | 介入額 | 値動き(目安) | 詳細 |
|---|---|---|---|---|
| 2022年9月22日 | あり | 約2.8兆円 | 145円 → 140円台 | 24年ぶり |
| 2022年10月21~24日 | あり | 約5.6兆円 | 152円 → 146円 | 史上最大級 |
| 2024年4月29日〜5月1日 | あり | 約9兆円 | 160円 → 152円 | 超大型介入 |
| 2024年7月11~12日 | あり | 約5兆円規模 | 161円 → 155円台 | 追加防衛 |
| 2025年 | なし | ― | ― | 警戒感のみ |
| 2026年1月 | 未確認 | ― | 158円 → 155円台 | レートチェック |
2024年の為替介入は、
4〜5月だけでなく、7月にも追加実施されています。
特に7月は、
160円超えを防ぐための“第2防衛ライン”として行われた可能性が高い介入でした。
過去の実例を見ると、
日本の為替介入は「3~8円規模」の値動きを短時間で起こしていることが分かります。
つまり、介入は“本気で相場を変えに行く行動”だということです。
介入資金はどこから出るのか?
答えは、外貨準備です。
▶ 外貨準備とは?
国が保有する👇
💰 ドル
💰 米国債
💰 外貨資産
の貯金。
日本は世界トップクラス👇
約1.2兆ドル規模
を保有しています。

👆このページは財務省が出している「日本の外貨準備の内訳」公式データです。
つまり、
為替介入に使える“日本の貯金通帳”みたいなものです。
外貨準備合計:
1,369,775(百万ドル)
= 約1兆3,700億ドル(約200兆円規模)です。
※ 1ドル=150円換算で約205兆円
日本は世界トップクラスです。
中身を初心者向けに翻訳すると…
表は難しいですが、実態はこれ👇
日本の外貨準備の中身
| 項目 | 内容 | 金額感 |
|---|---|---|
| 証券 | 米国債など | 約100兆円以上 |
| 預金 | 海外銀行の預金 | 約24兆円 |
| SDR | IMFのお金 | 約9兆円 |
| 金 | 金の保有 | 約18兆円 |
| その他 | 雑資産 | 少額 |
👉 ほぼ「米国債+ドル資産」です。
💡じゃあ介入の時はどう使うの?
為替介入のときは👇
☞ 米国債を売る
☞ 外貨預金を使う
☞ ドルを市場で売る
☞ 円を買う
という流れになります。
つまり、
「普段は運用してる資産を、必要な時だけ現金化する」イメージです。
財務省が保有している「外貨準備」から捻出されます。
最新データ(令和7年12月末時点)では、
日本の外貨準備は約1.37兆ドルと、世界トップクラスの規模です。
この資金を使って、必要に応じてドルを売り、円を買うことで、為替を安定させています。
予算の上限はあるの?
明確な上限はありません。
ただし、
✅ 効果が薄いとやらない
✅ 市場に読まれると無意味
なので、乱発しません。
なぜ介入は乱発されないのか?
理由👇
❌ 効かなくなる
❌ 信用低下
❌ 資金減少
「切り札」だからです。
まとめ
為替介入とは、
✅ 財務省が判断し
✅ 日銀が実行し
✅ 外貨準備を使い
✅ 数兆円規模で動く
国家レベルの行動です。
これを理解すると、
ニュースの“裏側”が見えるようになります。
📌 時事ネタ解説|衆議院解散中でも為替介入は止まらない?

最近のニュースで、
「衆議院が解散し、総選挙になる」
と聞いて、
「今って政治が止まってるんじゃないの?」
「そんな状況でも、為替介入ってできるの?」
と疑問に思った方もいるかもしれません。
結論から言うと――
衆議院が解散していても、政治も為替介入も止まりません
為替介入は、
衆議院の動きとは、ほとんど関係なく行われます。
なぜなら、日本の政治には、
役割の違う“2つの仕組み”があるからです。
日本の政治は「2つの世界」で動いている
日本の政治は、大きく分けて次の2つで成り立っています。
① 国会(衆議院・参議院)
💡法律を作る場所
✅法律の制定
✅予算の審議
✅大臣への質問
などを行います。
② 内閣(総理・各大臣)
💡国を実際に動かす場所
✅外交
✅防衛
✅金融政策
✅為替対応
などを担当します。
為替介入は、
この②「内閣側」の仕事です。
よく誤解されがちですが、財務大臣は、「衆議院の代表」ではありません。
財務大臣は、
✅ 内閣の一員
✅ 国の経済責任者
という立場です。
そのため、
・衆議院が解散しても
・選挙期間中でも
財務大臣の権限はそのまま続きます。
為替介入は「国会を通さずに即決できる」
為替介入は、
「外国為替及び外国貿易法(外為法)」
という法律に基づいて行われます。
この法律では、
為替対応の最終判断は財務大臣
と決められています。
つまり、
✅ 国会の承認は不要
✅ 議論を待つ必要なし
✅ 緊急時は即対応OK
という仕組みです。
「政治空白=何もできない」は誤解
ニュースではよく、「政治空白」という言葉が使われます。
しかし実際は、止まるのは👇だけです。
・国会での議論
・法案審議
・予算審査
行政の仕事は、止まりません。
むしろ、
✔ 官僚
✔ 内閣
✔ 各省庁
は24時間体制で動いています。
解散中は「むしろ動きやすい」こともある
意外かもしれませんが、衆議院解散中は、
・国会答弁がない
・批判が減る
・調整が早い
ため、行政判断がスムーズになることもあります。
そのため、
解散中に為替介入が行われるケースも普通にあります。
投資家として知っておきたい重要ポイント
為替市場は、
✔ 政治
✔ 選挙
✔ 金融政策
✔ 国際情勢
すべてを同時に織り込んで動いています。
そのため、
「選挙中だから何も起きないだろう」
と考えるのは危険です。
むしろ、
重要な対応は“水面下で進んでいる”
と考えた方が、現実に近いと言えます。
まとめ|ニュースを“構造”で見る力をつけよう
衆議院解散中でも、
✅ 為替介入は可能
✅ 財務大臣の権限は継続
✅ 市場対応は止まらない
というのが、日本の仕組みです。
ニュースを見たときは、
「表の出来事」だけでなく、
「裏でどう動ける構造なのか」
まで考えられるようになると、投資判断の精度は大きく上がっていきます。


