~The Mergeとは?電力問題と未来のイーサリアム2.0~
イーサリアム(ETH)は、2022年に大きな転換点を迎えました。
これまでビットコインと同じ「POW(プルーフ・オブ・ワーク)」という仕組みで動いていたイーサリアムが、環境負荷やスケーラビリティの問題を解決するために、「POS(プルーフ・オブ・ステーク)」方式へと移行したのです。
この移行は単なるアップデートではなく、「The Merge(ザ・マージ)」と呼ばれるイーサリアム史上最大級の進化でした。
✅ POWとPOSは何が違うのか
✅ なぜイーサリアムはPOSに移行したのか
✅ The Mergeとは何だったのか
これらを初心者にもわかりやすく解説していきます!
イーサリアムの未来を読み解くために、まずはこの大きな変化を一緒に押さえていきましょう。
イーサリアムはなぜPOWからPOSに移行したの?
イーサリアム(ETH)は、もともとビットコインと同じ「POW(プルーフ・オブ・ワーク)」という仕組みで動いていました。
つまり、
- 世界中のコンピューターが競争して
- 先に計算問題を解いた人がブロックを承認して
- 新しいETHを報酬としてもらう
というビットコイン型のスタイルでした。
しかし、イーサリアムのプロジェクトチームは、ある問題を抱えていました。
POWのままだと起きる問題
問題 | 内容 |
---|---|
電力消費が多すぎる | 巨大なマイニング工場が世界中で電気を大量消費 |
取引速度が遅い | 取引量が増えると処理に時間がかかる |
手数料(ガス代)が高騰 | 混雑すると数千円レベルの手数料が発生 |
エコじゃない | 環境負荷が大きく、世界的な批判が高まる |
特に地球温暖化問題が注目される中で、電力大量消費は大きな社会問題になりつつありました。
そこで登場したのが「POS」!
イーサリアムはこれらの課題を解決するため、
POS(プルーフ・オブ・ステーク)方式への移行を長年計画していました。
POSにすると──
というメリットだらけの未来が開けるからです。
移行の流れ:「The Merge(ザ・マージ)」
- イーサリアムは2022年9月15日、
- 「The Merge(ザ・マージ)」と呼ばれる大規模アップグレードを実施し、
- 正式にPOWからPOSに切り替えました。
「マージ(Merge)」とは、
もともと並行して稼働していた「ビーコンチェーン(POS版イーサリアム)」と、
「従来のPOW版イーサリアム」を1つに統合する作業のことを指します。
これにより、イーサリアムは
完全なPOS型ブロックチェーンに生まれ変わったのです。
移行後の変化まとめ
項目 | 移行前(POW時代) | 移行後(POS時代) |
---|---|---|
仕組み | マイニング競争(計算勝負) | ステーキング(保有量勝負) |
電力消費 | 大量(マイニングファーム) | ほぼゼロ(99%以上削減) |
取引速度 | やや遅い(混雑時に渋滞) | 高速・スムーズ |
ガス代 | 高騰しやすい | 将来的に安定期待 |
環境負荷 | 高い(温暖化リスク) | 極めて小さい(エコ) |
まとめ
・イーサリアムはもともとPOW方式だった
・問題(電力・速度・ガス代)を解決するため、POS方式に移行
・2022年9月「The Merge」で正式にPOS型ブロックチェーンになった
・現在は、よりエコでスケーラブルなイーサリアム2.0時代に突入している